アンチ朗読からの逆襲

たくさんの拍手を目指す朗読実践メソッド

二代目菊之助の悲劇

萩原新三郎が当たり役の役者の物語

 

クイズ 解答と解説

問3の続きでございます

 

◇クイズの内容

三人でのグループ講演(リアル朗読会)

会のタイトルは『牡丹燈籠』

でございます

朗読スタイルは以下でしたね

C.メイン演目を田中貢太郎圓朝の牡丹燈籠』とし

 サブ作品2演目 合計3作品を朗読する

 

サブ1選書まではおはなしいたしました

三遊亭圓朝『怪談 牡丹燈籠』を

抜粋で朗読しましょう でした

詳しくは 当ブログ

「テンポよくできたら大成功!」

をご覧下さい

 

では今回の解答と解説

サブ2の選書は?

◇答え

ま いろいろございますが

例えば こんなのはいかがでしょう?

萩原新三郎を演じた役者のエピソードです

伝記であり随筆でもあり物語としても読める

魅力的な短編です

 

村松梢風 著『本朝名匠伝』読売新聞社1952

に収録の一作

「五代目尾上菊五郎

国立国会図書館デジタルコレクション 

 

青空文庫は 朗読の強い味方です

が 国立国会図書館デジタルコレクション

使いこなせば 鬼に金棒ですよ

 

◇作品内容

この1冊は 12人の日本を代表する

絵画や芸能など 各分野のプロフェッショナルを

描いた作品です

その中の

「五代目尾上菊五郎」を抜粋で朗読してみましょう

 

◇作家:村松梢風(むらまつ しょうふう)

大正から昭和にかけて活躍

川島芳子をモデルとした『男装の麗人』が有名ですね

考証的な評伝を得意とした作家さんです

 

◇収録作品「五代目尾上菊五郎」の内容は?

23ページほどの短編です

朗読するのは 6章目の後半 約2ページほど

国立国会図書館デジタルコレクションでは

コマ62-64あたりでございますよ

タイトル通り 歌舞伎役者:五代目尾上菊五郎の物語でございます

音羽屋の大看板でございますね

が 朗読いたしますのは菊五郎のことではないのでございます

菊五郎には三歳から育てた養子 のちの二代目菊之助がおりました

菊之助の当たり役が

圓朝の『牡丹燈籠』の萩原新三郎であったと言うことです

しかし 役者としてまさにこれから

と言う時に 病に倒れ亡くなってしまうわけですね

『牡丹燈籠』の新三郎の悲劇と

それを演じた若き役者:菊之助の悲劇 

そして義理の仲とは言え息子の死を嘆く菊五郎

三つの悲しみが重なるワケでございますね

舞台の上で 菊五郎菊之助の死を知らされました

涙をこらえ芝居をやり通したそうですが

鬼気迫る演技は 神技と評されました

朗読会のテーマ『圓朝の牡丹燈籠』にふれるのは

たった2行ほどでございます

が 

当時 圓朝の落語が

歌舞伎の舞台となるほどの人気であったことも知ることができます

評伝作品を通して 圓朝そして『牡丹燈籠』を解説することになります

物語が物語を呼ぶ と申しましょうか?

『牡丹燈籠』をチョット違った角度から眺めることで

朗読会のおもしろさが 何層にも構築されるワケでございますね

これでこそ リアル朗読会 でございますよ

 

◇おまけ 朗読前のスピーチネタにどうぞ

・五代目尾上菊五郎

名セリフ「知らざぁ 言って聞かせやしょう」で知られる

歌舞伎大演目『白浪五人男』弁天小僧菊之助が当たり役でございます

・二代目菊之助

村松梢風出世作『残菊物語』は菊之助がモデルです

映画化され たいへんな人気を博しました

「五代目尾上菊五郎村松梢風 著『本朝名匠伝』読売新聞社1952
国立国会図書館デジタルコレクション

最後までお読みいただき ありがとうございました!

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