さーかす書房 拍手のための朗読再考

リアル朗読会を成功に導く戦略

朗読プロファイリング

「なりきる」と「同一視」ビミョウーっ!

 

🔳『細雪』案件

さーかす書房調査によりますと

  だからどんな機関?それ

朗読のタイプによって

・選書傾向

・舞台でのいでたちなど

ある種の枠組みがあるのでございますね

朗読タイプについては

過去記事をご覧下さい

circus-shobou.hateblo.jp

 

今回は

そのパターンのうちの一つ

「自己発表型朗読」

つまり

朗読作品よりも

むしろ朗読するご自身が主役となる朗読における

選書と舞台衣装

についての傾向を考察してまいりましょう

 

🔳谷崎潤一郎作品を選びがち問題

自己発表型朗読を志してらっしゃる方の

ことに女性の方の

選書傾向といたしまして

あくまでも「傾向」でございますよ

谷崎潤一郎作品を好んで読まれる

と言うことがございます

   好きなもん読んだらええやないの!ほっといたげて

中でも

春琴抄

『刺青』

『鍵』

痴人の愛

そして

細雪

でございますね

なので細雪』案件でございます

『刺青』以外は

皆 中~長編でございますので

いずれも抜粋朗読となりましょう

 

🔳セリフに顕著

細雪』案件の場合

読み方(朗読)の特徴といたしまして

セリフに懸ける情熱度合い

でございましょう

ことに『細雪』は

ま 朗読をやってます者は

たいがい 

セリフが好きなんでございます

さーかす書房も もちろんでございますね

役柄に「なりきる」のか?

それとも

登場人物とご自身が「同一視」の域に没入してしまっているのか?

これは似て非なるものでございまして

お客さまへのセリフの聴こえ方が違ってくるのでございます

 

それは?

 

🔳なりきる?同一視?

セリフを朗読する場合

「人物になりきって」

と言うのが基本的なコツでございます

なりきるためには

朗読なさる方の数だけの方法があろうかと存知ますが

さーかす書房の場合は

作品の読解から人物のひととなりを推察して

出来る限り

その人らしい言い回しを試みる

と言うことでございますね

人物に最大限沿うのでございますが

ここには

作品全体を見通している

読み手の俯瞰的視点があるのでございますね

ところが

細雪』案件の場合

全員が とは申しませんよ

登場人物に

なりきる

のではなく

同一視

にやや傾く気配がございます

つまり

作中の人物を演じる

と言うのではなく

「ワタクシがもともと彼女(登場人物)なのだわ」

と言った感覚ですね

そういたしますと

朗読会においでのお客様に

わずかながらの人物への違和感が

沸き起こるのでございますねぇ

これもまた お客様によりますけれども

この微量の違和感が

朗読会をえてして退屈なものにしてしまうのでございます

 

🔳鶴子 幸子 雪子 妙子

細雪』朗読の場合

もちろん抜粋朗読となりますが

お一人で読む場合よりも

4人で分担朗読することが多いのでございますね

何を分担するのか?

セリフなんでございますね

つまり

主人公であります四姉妹

鶴子・幸子・雪子・妙子を

4人で演じ分ける

と言うことでございますね

もっと申しますと

四人になりたいがために読む

と言うことでございます

朗読劇と言うスタイルもございますので

役を演じ分けての朗読は

珍しいことではございません

その場合は

主役級から端役の端役までが

芝居を構成するための必要不可欠な要員でございまして

互いが競い合うと言うことはまずございません

芸の研鑽と言うことはありましょうが

ひとつのまとまりなんでございますね

作品として

 

ところが『細雪』の場合

四姉妹全員が主人公なのでございますねぇ

多少の比重差はございますが

そして作中においても

たいへんに仲の良い姉妹ではありますが

知らず知らずのうちに

妍を競うかたちになるのでございます

ま これは

美人またはそうでないに関わらず

女きょうだいのサダメみたいなところがございます

作中の妍を競う感覚が

そのまま4人の朗読ぶりにもでてきてしまうワケですね

それはもともと

朗読のタイプが

ご自身を主役とする読み方であるからでございます

ので

わずかではありますが

他のお三方と張り合う

ワタシが ワタシが

の感じがセリフに出てきてしまいがち

となるわけでございます

 

だから舞台でのお衣装が

 

🔳振袖だったりいたします

朗読することで

作品世界を表現する

と言うより

ご自身で

細雪』ワールドを

目に見える形で具現化する

と言うことでございましょうね

ワタシが鶴子なのよッ!

ワタシだって負けないわ 幸子なんだからぁ!

作中で一番魅力的に描かれてるのは雪子よ!だからワタシなのッ!

自立した自由な女性像ならワタシしかいないわね もちろん妙子よ!

ま こんな心のお声が聞こえたり聞こえなかったり…

 

ただ そうなる理由は朗読タイプだけではない?

 

🔳本より映画のイメージ

さーかす書房は

細雪』は

どちらかと申しますと

朗読にはむかない

と考えております

それは毎度申します通り

作品の良し悪しではございませんモチロン!

日本が誇る

いえ世界的な文学作品であり

文学者でいらっしゃいます!

谷崎潤一郎作品は

読んでもらって楽しむのではなく

やはり

一人じっくりと黙読して堪能するお物語でございますね

じわじわと耽美な世界を味わうには

朗読ではなく読書でございましょう

 

もう一つは

さーかす書房朗読方法は

読解をふまえての朗読となります

細雪』は長編過ぎるのでございます

 

なので

多くの方が

細雪』を朗読する場合も

おそらく

全文読破はなさっていないでしょう

では何を元に?

となりますと

ズバリ映画でございましょうね

つまり

作品を朗読する

と言うより

映画でのイメージを演じることになる

ここにも多少のズレがでてくるのでございます

 

しかしながら これも

細雪』の宿命と申しますか…

描かれておりますことが美しすぎるのでございます

ので

見てみたい!

と思ってしまいますものね

 

四人が四人ともすこぶるつきの美人

しかも

似ている姉妹

と言うよりは

それぞれ性格も違いますし

美しさもそれぞれ個性的なのでございますね

何と申しましても

かつては栄華を極めました大阪は船場の豪商

そのご令嬢の方々でございますから

ただ美人

と言うのではなく

とんでもない華やぎ

豪華さを

さりげなく

ごく普通に

身にまとってらっしゃるわけでございます

そこに加えまして

作中出てきますのは

芦屋の邸宅やら

季節ごとの遊戯などなど

商いが傾きかけたと言えども

素晴らしく優雅な日常が

美しい日本が

綴れておるワケでございますから

 

🔳まとめ

作中の人物を読み手が同一視してしまうと

自己主張強めの(読み手の)セリフになります

つまり

作中の人物よりも

読み手が目立ってしまうのでございますね

そうなりますと

どうしてもお客さま(聴き手)は

映画と比べてしまうワケでございます

これは 読み手にとってはかなり損です

また

描かれておりますのがとんでもない美人

でございますから

聴き手がイメージする美人のとんでもなさ加減と申しますと

それはもう 際限なくとんでもない!

のでございます

なので 読み手がいくら美人さんでありましても

聴き手の空想上の美人には太刀打ちできない!

のでございますね

あくまでも

作品とお客様をつなぐ黒子感覚で朗読いたしました方が

無難と言えましょう

 

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