さーかす書房 拍手のための朗読再考

リアル朗読会を成功に導く戦略

観てきました「観仏三昧」

奈良市写真美術館「観仏三昧」展

 

先日

奈良市高畑町にあります

奈良市写真美術館

へ出かけて参りました

入江泰吉記念奈良市写真美術館 玄関

以前から一度訪ねてみたいと思っておりました

入江泰吉の記念館と言った方がわかりやすいかも知れませんね

入江泰吉

奈良を拠点に仏像写真を撮り続けた写真家です

たくさんの作品集が出版されています

が 中でも

「ディスカバー・ジャパン」のタイトルで

JR西日本の駅を飾ったポスター作品は

たいへんに有名でございますね

 

開催されておりましたのが『観仏三昧』展

ちょうど最終日でございました

奈良を活動拠点として仏像を撮り続けた御三家

工藤利三郎

入江泰吉

永野太造

の三人展と言うことでございます

「観仏三昧」とはもともと

歌人であり美術史家の會津八一の書籍に書かれてあった言葉で

「仏像の研究と鑑賞に専心する」

と言った意味だそうでございます

 

数枚 カラー作品がありましたが

モノクロの迫力

色彩をはるかに超える気が致します

静寂の気迫とでも申せばよろしいのでしょうか

色がない分

雑音(雑念?)が消え

自然と仏さまと向き合うことになるのかも知れませんね

作家さんごとに作品を見て参りますと

黒の違い と言うのも感じましたね

同じ仏像を撮ってらしても

作品から発せられる印象は違うものがございました

 

工藤利三郎の修復前の阿修羅像が印象的でしたねぇ

それを観てからの

入江泰吉の全ての手(腕)がそろった阿修羅像

観ることが出来て良かったと思います

 

写真作品の他に

大変に印象に残りました展覧がございました

それぞれの著作物からの抜粋文が

1パネルづつ展示されておりました

入江泰吉が綴られた一文に以下のような内容がありました

「仏像を撮り始めた頃は

いかにして自身の技術を駆使しようか?

どうしたら上手く撮れるか?

そればかりに気がとられ夢中になっていたが

気がついてみると

いつしか カメラを向ける仏に

ただ畏れ 祈るような心持になっていた」

御仏と文学作品に対するそれは

また違ったものでありましょうが

朗読もまた 慎みをもつことが大事と言うことでございましょうねぇ

 

一方 永野太造は

仏像研究の第一人者:小林剛氏の依頼で

調査に同行 写真を担当することになるのですが

その時 小林氏が永野に言ったことが綴られてありました

だいたいの内容は

「小林先生は 仏像を撮影する時の心得としてこうおっしゃった

仏像をただの被写体ととらえてはいけません

仏像を造った仏師の心に 出来るだけ近づいて撮るように

これもまた 朗読であるなと思った次第でございます

美術館を出ましたら 鹿の親子が草を食んでおりました

このあと

文学の神様:志賀直哉の旧邸を訪ねたのでございますが

それはまた次回と致します

 

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