【朗読のための本棚】
—あなたの声と拍手のために
無料開催にはワケがある!?
今月末の月例朗読会は、【ハロウィン】がテーマです。
ハロウィンといえば、仮装して町を練り歩く人々。
すっかり日本の季節行事として定着しましたね。
もしかしたら、クリスマスのイベントにも負けないくらい、
華やかに盛り上がっているのではないでしょうか。
絵本の世界でも、
ハロウィンをテーマにした作品がたくさん出版されています。
子どもたちにとっても、
毎年楽しみにする恒例行事になっている証拠でしょう。
ということで、今回もプログラムに絵本を入れました。
2冊ほどご披露する予定です。
■ 大人も楽しむ「絵本朗読」
絵本は子どもだけのものではありません。
当店の朗読会では、
大人のお客様も絵本朗読を楽しみにしてくださっています。
それは、読み手が「読み聞かせ」ではなく、
朗読を念頭に置いた読み方を心がけているからではないかと思っています。
ちなみに、「読み聞かせ」という言葉が、
いつまでたっても私の中でしっくりこない。
そこで勝手に「絵本朗読」と呼んでおります。悪しからず。
絵本は、今や当店の月例朗読会に欠かせない演目の一つとなりました。
ところが、この絵本朗読をお届けするには、
無料開催という条件がついてまいります。
■ 絵本を読むにも、お金がかかる!?
著作権フリーの絵本が、まったくないわけではありません。
が、国立国会図書館デジタルコレクションなどで探してみても、
候補となる作品は数えるほど。
読める絵本は相当に限られてきます。
では、有料の朗読会で、いろいろな絵本を自由にご披露するには?
なんと言っても著作権の手続きや使用料の問題がございます。
「使用料?払えばいいじゃないか」
はい、ごもっとも。
が、さーかす書房のような超超弱小商いにとっては、
なかなか厳しいお話でございます。
使用料を負担して有料の会で絵本を取り上げるとなると、
かなりの赤字になってしまいます。
ということで、あえての無料開催。
無料だからこそ、プログラムに組み込める絵本演目です。
■ ハロウィンから連想ゲーム。何を読む?
もちろん、絵本朗読だけではありません。
私自身の朗読演目もございます。が、
さて、ハロウィンをテーマに、いったい何を読むのか?
ハロウィンそのもののお話ではありません。
言葉の連想ゲームでございます。
【仮装】から【変装】へ。
【ケルト】【お菓子】【いたずら】【蜘蛛】【魔法】【かぼちゃ】……。
キーワードはいろいろと出てまいります。
さて、どれを選書の手がかりにするか。
あれこれ迷った末、
今回は【変装】と【ケルト】に決めました。
【かぼちゃ】も、最後まで候補に残っていたのです。
戦時中の食糧難の時代、小さな土地でかぼちゃを育て、雑炊にして飢えをしのいだ。そんな内容の日記作品があります。
苦しいとも、つらいとも書かれていない。
淡々とした筆致で綴られた、暮らしの記録です。
ハロウィンパーティーにあふれるごちそうや、
おどけたジャック・オー・ランタン。
そのかぼちゃとは、ずいぶん違いますね。
「えーっ! そんなん、テーマというより、こじつけやん!?」
ありがとうございます!
こじつけ・ごり押し、得意です。
……褒めてないっちゅうねん。
■ 変装といえば、やっぱり『たのきゅう』
まず、【変装】をキーワードに選んだ演目は、
落語でもおなじみの『たのきゅう』です。
以前から一度チャレンジしてみたかった作品。
国立国会図書館デジタルコレクションからの選書です。
『たのきゅう』には、いくつかの本があります。
落語速記本、児童劇、童話などなど。
せっかく読むなら、
やはり「変装」の場面が醍醐味となっているものを選びたい。
ところが、これがなかなか難しいのです。
変装の場面は面白くても、ほかの場面がいまひとつだったり。
作品全体の流れも考えると、そう簡単には決まりません。
私のイメージは、川端誠先生の落語絵本『たのきゅう』です。
うわばみを前に、命がけで役者魂を発揮するたのきゅうさん。
次から次へと姿を変えていきます。
なかでも、見開き2ページを縦長のコマに区切り、
その一つひとつに違う姿のたのきゅうさんが描かれた場面!
静止画なのに、なんというスピード感。
ページいっぱいに広がる早変わりの面白さに、
ワクワクしてしまいます。
あの瞬時に姿を変えていくスピード感を、朗読でなんとか再現したい。
さて、首尾よくまいりますでしょうか。
どうぞ当日のお楽しみということで。
■ もう一つは、ケルトの古いお話
もう一つの演目は、ケルトの古いお話集から選びました。
ハロウィンは、もともとケルト民族の行事に由来するそうです。
10月31日は、日本風にいえば大晦日。
そして11月1日が新年にあたるのだそうです。
新年を迎える前日に、
ご先祖様の霊を迎える儀式だったともいわれています。
大晦日であり、お盆でもある。
そんな感じでしょうかねぇ。
ということで、
今回はスコットランドやアイルランドの民話的なお話を朗読いたします。
作者、というより、正確には編者が楠山正雄。
楠山正雄の著作そのものは著作権保護期間を満了していますが、
書籍の装丁や挿絵などには別の著作権が残っている場合があります。
今回の本もおそらくそれにあたります。
ネット公開されているものの、著作権はしっかりと残っている。
が、新刊書店では、もう見つけることは難しいでしょう。
どうぞ、さーかす書房ならではの選書、朗読をお楽しみください。
■ 無料だから聴ける。
今回の「無料にはワケがある!?」。
ま、そんなようなワケでございます。
テーマから逸脱したこじつけ選書も、
ハロウィンの「Trick いたずら」と思召して、どうぞ笑ってお聴きください。
朗読の出来栄えが皆さまにとって、おいしい「treat」になりますよう、
精一杯つとめますね。
是非お越しください。お待ちしております。

誠にありがとうございます!
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