さーかす書房 拍手のための朗読再考

リアル朗読会を成功に導く戦略

怪談『圓朝の牡丹燈籠』で考えてみよう!その3

ここを押さえる!お露さんがなぜ新三郎にすがったか?

お露さんがあれほどまでに新三郎さんを慕ったワケを理解し

密度の高い物語(朗読)にいたしましょう!

でないと

お露さんが

・ただただ色に狂った若い娘

・とんでもなく迷惑なストーカー

になっちゃうのでございます

実はそうではないのでございますね

 

ではお露さんの心情をもう少し探って参りましょう

当作品は作者が田中貢太郎 

怪談の名手でございます

が 翻案作品なのでございます

元ネタは

落語の祖:三遊亭圓朝

『怪談 牡丹燈籠』

こちらも青空文庫掲載作品でございます

 

元ネタがある場合は怪談に限らず

是非 原作をお読みください

理由は

・話の内容がより深く理解できる

・登場人物を理解し相関図としてもとらえることができる

そして最大の理由

・翻案者が省略した箇所を知ることで翻案者が示そうとしたテーマを再確認

 

以上をしっかりとらえると

どんな朗読表現が適当であるか

自ずとわかって参ります

つまりストーリーの山場が把握できるのでございます

よって緩急の効いた朗読に仕上がります

結果

聴いていて退屈しない

イコール

大きな拍手をいただける と相成ります

 

では早速元ネタをお読みください と申し上げたいところですが

なんと! 青空文庫の頁で申しますと全129ページ

21章から構成されております 超長編!

読むと申しましてもなかなか…

ので さーかす書房が 

是非読むべき場面をご伝授いたしますよ

章番号で申し上げますと

2・4

6・8・10・12・16

とびとびなのは

いろんな場面が入り組んでおりますので…

 

実際の落語の演目名で申し上げますと

以下の5話に小分けされておりますね

  • 刀屋
  • お露新三郎
  • お札はがし
  • 栗橋宿 お峰殺し
  • 関の屋のゆすり

田中貢太郎

「お露新三郎」 章番号では2・4

「お札はがし」 章番号では6・8・10・12・16

の場面を翻案なさっております

元々の作品のクライマックスを

よりクライマックスに仕上げてあるワケでございます

ダイジェスト版とは思えない素晴らしい出来栄え!

翻案ながらスキのない一つの完成品でございます

朗読のための選書とは

つまりこう言うことでございますね

 

以上の場面をお読みいただけますと

お露さんの身の上がよーくわかるのでございます

大きな孤独を抱えた若いお嬢さんだったのですね

侍女のお米さんは お嬢さんの孤独・寂しさを理解していたのでございます

なのでいろいろ気にかけて大事におそばに仕えていたのでございます

 

本日のまとめ

・翻案作品なら元ネタ・元本を是非読んで!

 理由:・話の内容がより深く理解できる

    ・登場人物を理解し相関図としてもとらえることができる

    そして最大の理由

    ・翻案者が省略した箇所を知ることで翻案者が示そうとしたテーマを再確認

 ☆重要ポイント

  読み手の作品理解の容量で物語の聴こえ方が変わる!

  薄っぺらな物語にするか

  聴きごたえのある物語となるかはあなた次第

 

次回は

怪談『圓朝の牡丹燈籠』で考えてみよう!

のまとめでございます

自宅庭 豆朝顔

最後までお読みいただき ありがとうございました!

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