さーかす書房 拍手のための朗読再考

リアル朗読会を成功に導く戦略

発声練習は発声練習だけじゃない

「がまの油」に挑戦しよう!

 

🔳発声練習テキストの定番

朗読に限らず

・アナウンサー

・ナレーター

・俳優

・声優

などなど

声の仕事についてらっしゃる方々は

とにもかくにも

まずは

発声練習でございますね

 

腹式呼吸

ろうろうとした声をだしましょう!

と言うのが最大目標でございます

これは

朗読講師のよく言うところの

届く声!こころに届く声なのよ~♡♡♡

  誰?しかし! 心に届いて上等やないのぉ!

と言ったファジーなことではなく

物理的に

お客さまに聞こえてるのか?聞こえてないのか?

と言うことでございますね

聞こえてなければ

いくら

表現がどうのこうのとこねくり回しましても

ほんま!聞こえてないんですけど!

と言うことでございますねぇ

 

ま それはともかく

発声練習に

必ず使われますテキストが

 

北原白秋『五十音』

でございますね

「あめんぼあかいなあいうえお」

でございます

皆さま 一度はお耳になさったことがおありでしょう

 

もう一点

よーく利用されますのが

 

・「外郎売の科白(ういろううりのせりふ)」

でございますね

歌舞伎の大役者

二代目市川團十郎が演じました舞台での

超!長セリフでございますね

このような超ど級のセリフを演じますことを

「荒事(あらごと)」

なんて呼ぶそうでございますよ

このセリフ

歌舞伎十八番」の一つでございます

ま もともとが

そう言ったたちの文言

つまり

役者の凄さをお客様に堪能していただくための文言

でございますね

ので

普段 どちらかと申しますと

お手本を渋りがちの講師の方々が

珍しく

御自ら

外郎…」を読みます場合もどうしても

「どやッッ!!」

てなことになりがちなのでございますねぇ

「スゴすぎる!おれ!」

でございますね

つまり

己の才覚を

並み居る生徒諸氏にアッピール!

かつ

威圧デモンストレーションに最適なテキストと言えましょう

  ちがーーーうッ!お手本で読んでくれはったんよ!

 

「あめんぼあかいな」

外郎売の科白」」

どちらも

すばらしい鍛錬テキストでございます

何と申しましても定番でございます

私も もちろん!活用しておりますね

が それに加えまして

さーかす書房朗読がご提案の発声練習テキストは?

 

🔳さーかす書房朗読発声テキスト選定の基準

発声練習でありますが

発声だけにとどまらず

演目としても利用できるテキスト

を極力ご提供する

と言うことでございますね

理由は

より多くの物語との出会い

でございますね

本題の取組み作品だけではなく

発声練習テキストにおいても

種々の作品紹介につなげ

なおかつ

演目としても使えますよ

ご提案することに努めております

短い抜粋文スタイルではございますが

 

その観点から申しますと

おススメ発声練習テキストは?

 

🔳「がまの油売り」

「がまの油」と

外郎売の科白」

どちらも薬を売る口上でございます

「がまの油売り」の方が

より演目的な要素をもっておりますね

 

「がまの油」

有名な口上でございますね

今では大道芸としても人気がございます

 

今は昔常陸の國

只今の茨城県にあたりますが

そこにそびえ立ちます霊山:筑波山の麓に住むと言う

「がま」からとり出しました油でつくりましたのが

「陣中膏(じんちゅうこう)」

どんな傷でも即座に治癒すると言う軟膏でございます

「陣中」とございますのは

もともとは

中善寺の僧が大坂冬の陣・夏の陣に従軍いたしまして

その折

ケガをした兵士に塗ってやりましたところ

たちまちに傷が癒えると評判になった

と言ったようなおはなしがございます

また

川中島の合戦

武田信玄上杉謙信の両名武将も愛用していた

と言ったようなこともまことしやかに語られておりますが…

つまり

戦の時に非常に役に立った塗り薬

ということでございましょうねぇ

 

前置きが長くなりました

では具体的に

「がまの油売り」の

どう言ったところがスゴイのか?

 

🔳「がまの油売り」おススメポイント

・口上にドラマがある

外郎売の科白」は

文言のほとんどが

意味があるようだが意味はない

と申しましょうか

つまり

ことば遊びなのでございますね

語呂合わせ

洒落

掛けことば

と言ったようなことでございます

こう言った文言は

どちらかと申しますと

聴いて面白い!

と言うよりは

読む側の達成感がやや強めになるのでございます

落語の『じゅげむ』と同じでございますね

一方

「がまの油売り」は

そう言った面もございますが

ある程度のストーリーがあるのでございます

途中

薬を塗った刀の切れ味を試す場面もございまして

大道芸では

ここが見せ場となっておりますね

朗読の場合

実際に刀を持ち出して実演する必要はございませんが

身振りで 刀をふる表現をする

つまりエアヤットウをして見せるのも

オモシロいかも知れませんよ

 

・「間」の鍛錬

「がまの油売り」では

文中

何度か

「さて お立合い!」

と言う合いの手がはいります

この文言をどの間合いで発するか?

が 肝心要でございますよ

「がまの油売り」が

生きるも死ぬも

この「間」一点にかかっております

つまり

発声練習ではありますが

同時に

「間」の稽古にも最適なテキストと申せましょう

「間」は「魔物」

でございますから

 

・モチーフとして登場

「がまの油売り」が

モチーフとなったおはなしがいくつかございますね

つまり

少し前は

多くの方が共有できていた「がまの油」口上

人気があった

と言うことでございますね

「がまの油」がモチーフとなったおはなしを楽しむためには

やはり大元の「がまの油」を知っておくに越したことはございません

また

はなしを色々知っておりますよ

と言うのが

朗読する場合非常に有効でございますよ

 

落語『がまの油』

タイトルもまさにそのままでございますね

多くの落語家さんが演じてらっしゃいますが

私は

桂米朝大師匠が演じられましたのが

たいへんに好きでございますね

お客さまを

その場にとどめる工夫・知恵

つまり話を最後まで聞いて頂く

などもコミカルに語られ

それがまた

朗読にも全く当てはまるのでございますね

そう言った意味でも

たいへんに参考になるおはなしでございますよ

 

 

落語『高田馬場

「がまの油」が登場しますのは冒頭のみ

美しい姉とりりしい弟が

浅草の観音様で

例の口上を述べて一生懸命に「がまの油」を売っております

そこへ一人の浪人が現れるのでございますね

「その薬はこのような背中の刀傷をも治すのか?」

その傷を見ました途端

はっと緊張が走る姉・弟の表情

「お前は 確かに父の仇!!!」

「いざ 尋常に勝負ーーーっ!」

となりましたが

いやいや ここは浅草観音

境内を血で汚すまいぞ

と言うことで取り決めましたのが

改めて

高田馬場で決闘いたそう!

と言うことなんでございます

ところが…

 

ま 高田馬場を持ち出しましたのは

言わずもがな

赤穂浪士四十七士随一の剣客

堀部安兵衛の「高田馬場の決闘」

にからめてあるワケでございますね

つまり

有名過ぎる逸話を引っ張り出すことで

スゴイ決闘になるぞ!

と言った暗示を

劇中の見物人

しいては

落語を聞いております我々に

与えるワケでございますが…

 

何と申しましても

たいへんに有名な落語大演目

オチは すこぶるオモシロイ!

のでございますね

 

🔳まとめ

「がまの油」に

高田馬場の決闘」と

少し昔は

多くの方々が

ごく普通に共有できておりましたお物語でございます

この下地があってこそ楽しめる

と言うワケでございますね

 

朗読する側も

物語に隠れておりますストーリーを

知って読むのか?読まないのか?

ここに

大きな違いが出て参りますよ

それがいわゆる

味わい

てなことでございましょうね

 

ランキング

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