さーかす書房 拍手のための朗読再考

リアル朗読会を成功に導く戦略

昔話は著作権フリーじゃない!?

今回の話題は

朗読演目としての民話・昔話についてです

私は好んで昔話・民話を

朗読演目としております

昔話や民話の本が

すべて著作権フリーかと言うと

実はほとんどそうでない

それは…?

 

【本の作者の著作権

著作権とは

本の作者の権利でございますね

著作権フリーとなりますのは

作者(作家)の死後70年経てから

出版されてから70年ではありません

ですので

昔話・民話は

古い古い時代の物語でございますが

それを本として書き上げた作家さんに

著作権が発生いたします

昔話自体の古さに関係ないわけでございますね

例えば

私は民話と言えば

松谷みよ子作品がたいへんに好きなのですが

朗読演目にすることはできません

と言うのは著作権フリー作品ではないからです

お亡くなりになられたのは2015年です

正規の手続きを経て

著作権料を支払えば問題はないでしょう

私の場合は

著作権料を支払っての朗読会は

全くの赤残

商いとしてはブーッ!でございますから

 

国立国会図書館デジタルコレクション】

そこで

私がいつも活用しておりますのが

国立国会図書館デジタルコレクション」

すばらしいサイトでございます

無料と言うのがまた驚異的でございます!

私の場合

朗読選書をセールスポイントにしておりますので

時間があると

朗読ネタ探し・演目探しをしております

この作業は

ただただ

国立国会図書館デジタルコレクションに

頼っているわけでございますね

 

【膨大な数から探し当てる】

国立国会図書館デジタルコレクションで

演目となりそうなジャンルを

検索いたしますと

膨大な作品が

ずらーっと一覧になって表示されますね

こう言う本があるのだな

と言うことは

ともかくは知ることができます

が ここからが本当の仕事なのでございます

その中から

これは!と言う本を探しあてなければなりません

ま 何度もやっておりますうちに

コツと申しますか

感覚と申しますか

そう言ったものが

だんだんに身について参りますよ

ま これについては

次の機会におはなしするといたしましょう

 

【オケラの嘆き・蠅と雀】

先だって

朗読講座『レトロ児童書を読もう』

読了いたしました

「オケラの嘆き」「蠅と雀」も

前記の方法で見つけ出した作品ですね

本のタイトルは『南の昔話』

沖縄を中心に日本の南の島々に伝わる昔話が収められています

全部で60話

たくさん入っていますね

作者は喜納緑村 きのうりょくそん

かつて大人気であったテレビアニメ

まんが日本昔ばなし』には

喜納緑村が手掛けたおはなしがたくさんございますよ

 

【なぜ民話?】

私が好んで昔話・民話を

朗読の演目にするのか?

それは

民話が余白の文学であるから

とでも申しておきましょうか

民話や昔話は

時系列通りに

ごくシンプルにおはなしが進みます

語られるのは

起こった出来事のみ です

通常の小説や物語と大きく違う点ですね

小説などは

出来事そのものはもちろんですが

何より

人間の感情・心情が事細かに描かれるのでございます

風景などもその心情を表す手段として描かれたりしますね

民話・昔話は

そう言った感情の表現がほぼないのです

「こんなことが ありましたよ」

と言うだけです

そこに余白が生まれます

その余白に

観客がご自身の来し方を重ね合わせるのでございますね

観客・物語が互いにそっと寄り添う感じと申しましょうか

これが共感でございますね

共感が

つまりは拍手につながりますよ

 

【舞台で本番リハーサル】

「オケラの嘆き」「蠅と雀」

読了しましたが

さーかす書房店内舞台での

本番リハーサルがまだ終わっていません

1作品終わるごとに

リハーサルまでやっての講座内容となっております

次回講座は2話のリハーサルからスタート

で リハーサルの際に毎回

練習していただくのが

1分間ご挨拶 です

朗読を始める前に

何か一言

お客様に向けてご挨拶をする

と言うトレーニングです

受講生さん 本当にお上手ですよ

非常に自然な感じで

お客様に語りかけてらっしゃいます

お見事!

あ これはあくまでも設定です

実際は無観客

お客様が100人いらっしゃる想定

でやっております

数 デカすぎー!

1分間ご挨拶トレーニングは

朗読にだけに有効な練習ではございません

積み重ねることで

日常のちょっとしたご挨拶なども

知らないうちに上手になってしまいますよ

どんなシチュエーションであっても

フリーズってことがなくなります

 

【次回は『壇ノ浦の鬼火』】

次回講座は

まず前述のリハーサル

それが終わりましたら

新課題

下村千秋『壇ノ浦の鬼火』にとりかかります

こちらの作品内容は

耳なし芳一』の物語です

平家物語の番外編と言ってもよろしいですね

小泉八雲のそれが

非常に有名かつ名作でございます

が 『耳なし芳一』は

八雲のオリジナルではございません

古くから伝わる源平合戦外伝

昔話と言うよりは伝説と申し上げたほうがよろしいかも知れません

なので

いろいろな作家さんが

手掛けていらっしゃるわけですね

八雲作品はもちろん素晴らしい

超メジャーです

下村千秋『壇ノ浦の鬼火』の方が

私は好きなのです

文言・ストーリー展開が

よりドラマチックですね

もうひとつ大事なことは

八雲の『耳なし芳一』は

朗読演目として読まれすぎています

つまり

聴かれすぎているのですね

そう言った意味で

下村千秋のものはフレッシュ!

こう言ったことも

お客様にお楽しみいただくポイントでございますよ

平家蟹の画像を
国立国会図書館デジタルコレクションで
探してみました
画像は江戸中期の書籍
左上に平家蟹が
大きく描かれています
平瀬徹斎 撰 ほか『日本山海名物圖會』三
河内屋森本太助

下村千秋『壇ノ浦の鬼火』の冒頭
平家蟹についての一文があります

 

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追記

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