さーかす書房 拍手のための朗読再考

リアル朗読会を成功に導く戦略

めざせ!観客バリアフリー

セリフの取説 その2

 

🔳前回までのおはなし

朗読講座受講生様の質問の中で

一番多いお題が

「セリフをどんな風に表現すれば?」

なんでございますね

 

セリフをどんな扱いで演じるか?

これは

どう言う朗読を目指しているのかに大きく関係します

朗読形態は大きく分けて2タイプ

・朗読するご自身をお客様にご披露する朗読

・作品(演目)をお客様にご披露する朗読

私:さーかす書房の目標と致しておりますのは

もちろん 後者でございますね

言い換えますと

前者はご自身が主役

後者は作品が主役

只今 朗読世界では前者が主流でございますね

さーかす書房リサーチです

 ーなんの機関?

で 前回は

ご自身が主役タイプの朗読におけるセリフの取り扱いについて

いろいろにおはなしさせていただきました

今回は

もう一方の朗読スタイル

「作品」が主人公朗読

さーかす書房的朗読でーす!

におけるセリフの取り扱いについて

考察して参りましょう

🔳本日の結論 観客バリアフリー

いきなりではございますが

結論から申し上げましょう

さーかす書房的朗読

つまり

作品が主役である朗読表現は

お客様のバリアフリーを可能にする!

で ございます

○観客バリアフリーとは

つまりどんなお客様にも対応可能 お楽しみいただける

朗読 読み方ということでございますね

例えば お帰りの際のお客様のお声に耳を傾けてみましょう

・ご自身主役の朗読表現方法の場合

おおむね読まれた方への賞賛です

(声がすてき 堂々としている お衣装よいわね等々)

こんだけ ホメてもらったら 十分ちゃうの!

裏返しますと

・物語にはあまり集中できなかった

・おはなしには夢中になれなかったワ

と解釈することもできます

・作品が主役の朗読表現の場合

物語に関するご感想がいただけます

物語からの連想 ある種の郷愁を感じていただけることも!

つまり

作品世界をお楽しみいただけた

と考えておおむね間違いはございませんでしょう

そしてそれが結局のところ

「しかし いい声だったわねぇ~」などなどの

朗読した人自身への賞賛にも つながるわけでございますね

 

作品の面白さをご提供できたのなら

自己実現派のお客様でも(前回記事を是非ご覧ください)

・おはなしを楽しみたいわ 

な お客様でも関係なく

楽しい時間をお過ごしいただける朗読・朗読会となるワケでございます

つまりお客様を選ばない

観客バリアフリー表現方法でございます

 

では以下

もう少し詳しく

作品主人公の朗読メソッドをご覧頂きましょう

 

🔳共有・共感が朗読の醍醐味

物語を中心に

たくさんのお客様と

場所・時間を共有・共感できるのが

朗読本来の楽しさであると考えております

ですので

お客様にご披露するのはあくまでも

「作品」そのもの なのでございます

主役は「作品」なのでございますね

朗読する側はあくまでも

黒子とまでは申しませんが

作品(本)とお客様の間をとりもつ仲介役と心得るべきです

 

🔳作家さん・作品への敬意を忘れず作品に臨む

忘れてならないのは

作品・作家への敬意でございますね

ご自身の才能・才覚アピールの小道具にしてはいけない

と言うことです

 

🔳まずは作品読解です

ともかくは

作者・作品に寄り添い

物語をいつもよりは丁寧に読み解いてみましょう

それが作者・作品に対する敬意でございましょうね

寄り添うと申しましても

読み解く「わたし」と言うフィルター越しです

ので 読解したところで

作者の意図そのもの

つまり無添加で純度100%と言うワケには参りません

それでも一旦は作品内容を読み解く事に集中すべきでございますね

作品を探るには まずは

・内容の把握

でございます

ただ これだけでは全く不足でございますよ

・作品が書かれた時代背景

・作者の身に起きたものごと

そして 出来れば

・同作者の他作品もいくつか読んでみる

上記一連の作業で何がわかるのか?

いくつか見えてくるものがございますよ

 

🔳読解で見えてくるもの

作品をザーッと読み流しただけでは

気づかないことが多くあります

では さーかす書房的読解で何が見えてくるのか?

それはやはり

・テーマ

でございましょうね

作者は何を伝えようとしているのか? ですね

テーマが明確になりますと

・登場人物の言動がよりリアリティをもって立ち現れてくるワケでございます

セリフで肝要なのはココでございますよ!

しっかりとした人物把握がリアリティなセリフを生むのでございます

 

🔳演技アピールよりリアリティ

なぜ リアリティなセリフが必要なのか?

それはひとえに

お客様の人物に対する納得・実感 でございますね

セリフの違和感が

物語全体の違和感に直結します

そうするとどうなりましょう?

お客様は物語を追っかけていく気力を失うワケでございますね

つまり 退屈ってことでございます

耳だけでストーリーを楽しむ

これは なかなかに高度な技術でございましてね

朗読する側は

出来得る限り

追っかけやすくする工夫を駆使すべきなんでございますね

その一つが

リアリティなセリフ

とお考えください

「演技してますアピール大」のセリフに比べまして

一見地味な表現に見えても(聴こえても)

結果 お客様はこうおっしゃってくださいます

「まぁ なんと楽しい時間だったこと!

しかし 最高だったわね あのセリフ!

主人公の気持ちが我がことのように思えて

なんか 泣けちゃったわぁ」

 

追加

🔳作品の映像化 まずは朗読する側が

読解により可能になるのはリアリティなセリフだけではありません

むしろ ここがポイント!なのですが

物語のテーマ・山場・人物の人となり・またはその相関図が把握できれば

読み手が作品を鮮明に映像化できると言うことです

映像化とは

・スライド的な静止画の連続ではなく

・映画です

頭の中で人物が動く

その動きに合わせて 改めて文言をのせていく感覚を体験してみてください

動くのは人物だけではありませんよ

物語の中の時間です 場面です

その動き・流れが まさに「間」なのでございますね

そう致しますと

どこにどんな緩急をつけるのか

も 自ずとわかってきます

朗読する側が作品をしっかりと映像化してこそ

お客様のお心に物語が絵となって現れるのでございます

 

🔳まとめ

しっかりとした作品読解から朗読表現を探る

それは

より広い視野で作品を見つめ直すと言うことでございますね

俯瞰する と申し上げればよろしいでしょうか?

そう致しますと

一見ばらばらに見えておりましたものが

ガシャン ガシャン ガシャンとつながってくるのでございます

つながった瞬間がまたおもしろかったり致します

つながれば

・やみくもな演技

・「なに待ち?」的な間の取り方

から解放されますよ

 

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